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ひさびさに(^^;)マーケティングの話です。日経ビジネスオンラインに東レについての記事がありました。『東レのヒット商品を生み出したマーケティング手法とは』という記事ですが、東レが発売した据え置き型の浄水器のマーケティングについてです。
記事ではサイコグラフィック属性に注目したマーケティングとありますが、具体的にはサイコグラフィック属性でターゲット顧客を選別したということになるかと思います。
記事によると
この時、同販売部は社内のマーケティング企画室からウォータースタジオ(東京都渋谷区)を紹介される。同社は「エモーショナル・プログラム」と呼ばれる消費者が持つブランドイメージや価値観を理解する手法で様々な企業のヒット商品作りを手助けしてきた。同プログラムを用いれば、あらゆる商品やサービスが持つイメージ「保守的/革新的」と「精神年齢」という2軸でマップ上の位置を表すことができる。
プロジェクトメンバーは、ウォータースタジオが抱えるモニターのうち、水に関心を持つ1000人に対して意識調査を行い、6つのクラスターに分類した。そのうち10.3%を占める「情報通のこだわり派」と呼ばれる層を新製品のメインターゲットに定めた。新製品に関心が高く、デザインにもこだわる、オピニオンリーダーの資質を備えた層だという。エモーショナル・プログラムを通じて、彼らに共通する価値観や好きなブランドなどを確認しながら新商品のブランドイメージを膨らませていった。 |
一つは『あらゆる商品やサービスが持つイメージ「保守的/革新的」と「精神年齢」という2軸でマップ上の位置を表す』というところ。生活年齢ではなく、精神年齢というとことが面白い。いままでのマーケティングでは生活年齢を基準にしてきました。これは致し方ないところでもあるんですね。アンケートをとっても、精神年齢を測る術があまりない訳ですから。でも考えてみれば、20代の人間でも精神年齢は30代・40代であれば、購買行動は20代の人間とは異なる可能性が高い。なるほどなぁ。
もう一つが『「情報通のこだわり派」と呼ばれる層を新製品のメインターゲットに定めた』というところ。東レが売り出したい製品は、浄水器としてはかなり高額なものです。そのような商品を買ってくれる人たちをきちんとイメージできたということは、販売が成功する大きな要因であるはずですからね。
良いものを作るだけでは売れない時代な訳ですから、記事にあるように『「どんな製品がどんな顧客に喜ばれるのか」という商品開発の原点に立ち返る』というのは、口で言うのは簡単ですが実行するのは難しい。でも、それをしなくては商品は売れない時代なんですね。
記事では東レさんもマーケティングの専門業者を使っているとのこと。東レみたいな大きなところが・・・、とも思えるかも知れませんが、私は大企業だからこそだと思っています。中小・零細企業の場合、そういう専門家集団を利用することは難しい。なんぞかんぞ言っても費用が掛かりますからね。
是非そういう時には我々診断士を利用して・・・と言いたいんですが、やはり費用は掛かります。中小企業基盤整備機構や県・市町村などが行っている助成制度をうまく利用して、我々を活用してくれればなぁと。
最後は宣伝になっちゃいましたが、新製品の販売戦略としての良い事例の1つだなと感じました。