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たまたま読売新聞の大手小町(まあ、いわゆる掲示板ですね)を読んだら、「調剤薬局がうっとうしい」というトピックを見つけました。簡単に言うと、調剤薬局で薬をもらう際に、薬剤師さんに問診されるのがうっとうしいからなんとかならないものかというもの。問診自体は薬剤師さんの業務の一環ですから、これを否定することはありえない。でも他人に大きな声で、他人の目や耳を憚ることなく問診されるのはプライバシーの侵害じゃないかと、患者の立場から意見がありました。
詳しくは当該トピック(http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2007/0516/130073.htm?o=0&r=1)を読んでもらいたいのですが、一応全部の書き込みを読んだ上で、「薬剤師さんって意外と顧客満足を理解していないんだなぁ」と思いました。例えば、私が皮膚科で水虫を治療しているとします。処方箋を持って調剤薬局へ出向き、薬を買うとしましょう。そこで問診が入るのですが、そこでの会話が他の人に聞こえないような対策をされていれば、どんな会話になっても気になりません。でも、他に薬をもらいに来た赤の他人に聞こえるようなところで、そのような会話がされたら、他人に自分が水虫だということが知られてしまいます。もし知り合いがそこにいたら・・・。
これが水虫ではなくて、STDだったりEDだったりしたら・・・。私だったら恥ずかしくて穴があったら入りたい気分になるのではないかと。
薬剤師として守秘義務があります。これは業務で知り得た情報を他人に漏洩しないことをうたっています。このため、書類などの管理方法については学校などできちんと勉強していると思います。会話を人に聞かれたことが守秘義務に反するかと聞かれると、私はグレーゾーンなんじゃないかと思っています。
でも、プライバシーの侵害にはあたるんじゃないかと思います。自分がどんな病気に罹っているのかを他人に知られたくないですからね。小声で話すとか、具体的な病名などを言わなければ、他人に知られない訳ですからちょっとの配慮なんですけどね。
考えるに薬剤師さんは一般の人がそう思っていることを理解できていないんでしょう。またそういうことを学校でも教えていないのではないかとも思います。でもこういうことって、薬局経営を考えればものすごく重要なことです。恥ずかしい経験をした人は、そのうちその薬局を利用しなくなります(病院との関係とか、薬の在庫関係でその薬局に行かないといけないということもあるので、利用客が減少しない場合も当然考えられる)。また悪い評判がたつ可能性もあります。こうなってくると悪循環のサイクルに入ってしまい、最悪の場合つぶれてしまうかも知れません。
話をプライバシーに戻すと、ほんの小さな配慮で確保することができます。例えば、小声で話すとか、銀行ATMのように次の人を少し後ろで待ってもらうとかするだけで違うんです。プライバシーを完全に守ることはとても大変なことで、100%守ることは無理なことだと思います。それでもちょっと考えるだけで大きく改善されるはずです。
お客の立場に立って考えることができれば、その解決策はすぐに見つかるはずです。実際、トピックのレスにもこのトピックを読んで改善した薬局の話がありました。お客に「次もここに来たい」と思わせること、それは薬局のみならず経営の基本なんだということです。
自戒を込めて、この話を書きました。どこかの政党のようにブーメランで自分に戻ってこないことを祈りつつ