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日経ビジネスオンラインに「えっ???」という記事がありました。それが『ソフト開発の遅れで着工激減』。タイトルだけを見たときにはソフト業界の話かなと思ったのですが、実は建設業界の話だったんですね。
話としては、
1)姉歯事件のせいで建築基準法が改正され、国交省は建築確認の審査基準を見直し、運用を厳格化した
2)高さ20m超の鉄筋コンクリート建築などには、建築物の安全性を測定する「構造計算書」の提出が求められることになった
3)審査を強化するために、自治体などの検査機関とは別に、「指定構造計算適合性判定機関」という第三者組織を設け、二重にチェックする体制を整えた
4)構造計算書に利用するのが、構造計算ソフト。提出書類との突き合わせのために、書類の申請側と審査側に共通仕様の計算ソフトが必要になる
5)ところが、この肝心の認定プログラムが施行から4カ月たった現在でも販売されていない
6)「認定プログラムの出荷時期も未定」(国交省の担当者談)
おいおい・・・と言いたくなる話ですね。
非認定プログラムで計算できるんですが、記事によると
無論、この認定プログラムを使わず、市販されている“非認定”プログラムの構造計算を利用することも可能だ。認定プログラムの存在しない現在は、構造計算書は非認定プログラムによって計算されたものが使われている。だが、一方では「建設後の不備の原因を認定プログラムを使わなかったことにされてはかなわない」(ある設計事務所)と考える関係者が少なくない。着工後に建築基準法に違反していたことが判明すれば工事はストップ、完成後でも取り壊さざるを得なくなる恐れがある。 |
実は昨日産業廃棄物収集運搬のための診断報告書を書くために、住宅着工戸数の動向を調べたところ前年同期と比較してかなり落ち込んでいることが判ったんです。なんでだろうなぁと思ってたのですが、こういうこともその原因の1つだったんですねぇ・・・(^^;。
記事の最後に
認定プログラムの販売時期は来年にずれ込むとも言われており、混乱はなお続く可能性が高い。
だが、大手を除いてこうした行政の遅れを許容できるマンション業者は限られる。販売機会がずれ込めば、用地を仕入れた借入金の負担は増え続け、収益見通しの立たない厳しい事業状況にさらされる。資金力の乏しいマンション会社の中には、着工できない用地を放出する動きも出てくるだろう。マンション建設に入れなければ、工事を請け負うゼネコンにも影響は及ぶ。 国交省は、中小企業庁や中小企業金融公庫などを通じて経営難の企業への支援を発表したが、効果が見えてくるまでには時間がかかる。 住宅建設は日本のGDP(国内総生産)にも影響を与える。住宅販売とともに売れる家電や家具など、他産業への影響も小さくない。住宅投資の落ち込みがさらに波及すれば、景気回復機運に沸き始めた日本全体の勢いをそぎかねない。 |
産廃収集運搬の許可を取る会社には、この前段階である住宅などの解体工事を生業にしているところも結構あります。住宅やマンションを建てる場合には、建てる場所を更地にしないといけません。それはメーカーからの受注を受ける中小零細の土木工事業者がやるんです。解体工事専門の業者もいるんですよ。
住宅が着工されるということは、記事のコラム欄にある川上のメーカーだけではないんですね。ソフトができないから着工が遅れるなんて、もう呆れてしまいます。
構造計算ですが、昔は大型コンピュータでしかできないものでした。それが技術進歩でパソコンで簡単にできるようになったのは、昔を知っている私なんかはある意味驚きでもあり、当たり前でもある訳です。でもそのソフトを作っている人からすれば、胃の痛い日々が続いているんでしょうね。計算間違いがあったらいけないわけですからねぇ。求められた値が正しいかどうかをチェックするのにもソフトが必要になる場合があります。じゃあその検証プログラムが正しいかどうかは誰が検証するんでしょうか。今更手計算なんて現場からは、「そんなの出来ないよ」と感じていると思います。
私は事務処理プログラムを専門にやってて一安心・・・、いやいやご苦労様です。