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skype と Youtube の違い


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 日経ビジネスオンラインに BusinessWeek の翻訳記事があります。そこに skype と youtube の対称的な記事がありました。Skype は『イーベイ、スカイプバブルに泣く』で、YouTube は『メリー、ユーチューブ!』という記事。
 Skype の記事は skype を買収したeBayの話。
 2005年に米イーベイ(EBAY)がルクセンブルクのスカイプ・テクノロジーズを26億ドルで買収した時、多くの人はこう思った。なぜオンラインオークションの会社が、金食い虫のインターネット電話サービスに深入りするのか──。2年経って、イーベイはその決断が誤りだったことを認めようとしている。

 10月1日、イーベイはスカイプの買収は10億ドルも高い買い物だったことを明らかにするとともに、スカイプの業績が2005年当時に描いていたバラ色の予想とは程遠いことも告白したのである。

 イーベイはスカイプ関連で14億3000万ドルの特別費用を計上し、役員の大幅な入れ替えを行うことを発表した。スカイプの共同創業者ニクラス・ゼンストローム氏、ヤヌス・フリス氏は現在のポストを辞すことになる。

 特別費用のうち約5億ドルがゼンストローム氏とフリス氏、スカイプ創業初期からの出資者への支払いに充てられる。気前のいい餞別にも思えるが、利用者数、売り上げ、利益が2005年の買収合意で設定した目標に到達していれば、17億ドルを受け取れるはずだった。

とあります。端的にいえば、skype の無料電話では儲からないことがわかったということです。記事を読んでいくと、登録者は全世界で2億人以上いるにもかかわらず、実際の利用者はその20%足らず。利用者の大半は有料サービスは使わず、PC対PCの無料電話サービスしか使っていないという。
 しかも、もっと付加価値の高いサービスにカネを出させる方法を考案する必要がある。スカイプ利用者の大半はパソコン間の無料通話を使っているだけなのだ。スカイプは主な収入源の1つは従来の固定電話に発信する際の従量制料金だが、なかなか収益を上げられないでいる。

 多くの人の懸念している点として、ベッカート氏は今年第2四半期の「SkypeOut(スカイプアウト)」サービスの利用時間が今年第1四半期から横ばい、昨年第4四半期と比べると低下していることを挙げている。ベッカート氏の試算によれば、スカイプ利用者が1カ月に支払う料金は平均でわずか12~13 セントにすぎない。同業の米ボネージ(VG)は法的な問題を抱えながらも、月に28.38ドルをインターネット電話の加入者から得ている。

つまり、一人当たり1.44ドル/年、利用者全体で6,336万ドルしか儲からないということです。そりゃあ、てこ入れするわなぁという数字ですね。やっぱり最低でも10ドル/月ないと厳しいですよねぇ。

 片や YouTubeといえば YouTube 対応機器がこのクリスマス商戦に向けて発売されそうだという。

 このほかに、アップル、韓国LG電子、フィンランドのノキア(NOK)、ネットギア、ソニー(SNE)、米ニューロス・テクノロジー、米ピュア・デジタル・テクノロジーズなどのメーカーが、ユーチューブ対応のデジタルカメラやビデオカメラ、セットトップボックス、ルーター、携帯電話を次々に発売している。ユーチューブはさらに提携の手を広げようとしており、ほかにも数件が進行中だ。

 「今年の話題の中心は、“ユーチューブのクリスマス”になる」とグーグルのユーチューブ製品マネジャー、ハンター・ウォーク氏は満足気だ。

旧式のビデオカメラは引き出し行き?

 もっと楽観的な見方をすれば、“ユーチューブ対応”という流れは、ここのところぱっとしなかったデジタル家電製品の販売をてこ入れすることになるかもしれない。

 例えばビデオカメラ。米国では、ここ数年販売台数は横ばい。売上高は減少していた。ユーチューブ対応機能があれば、ユーザーはいつも小型のビデオカメラを持ち歩きたいと思うようになるかもしれない。撮影するのは、飲み会のような日常的なイベントかもしれない。結婚式や休暇旅行といった特別なイベントだけではなくなるのだ。

 「これは全く新しい製品ジャンルだ。ネットで動画を共有することは、多くの人にとって“思い出作り”の一部になっている。後から思いついてやることではない」。ピュア・デジタルCEO(最高経営責任者)のジョナサン・キャプラン氏は言う。同社は5月と9月にそれぞれユーチューブ対応型のビデオカメラを発売している。

 「これは、カメラ市場の根幹を揺るがしかねない動きだ」と、米コンサルタント会社、エンビジョニアリング・グループのディレクター、リチャード・ドハーティ氏は言う。カメラやビデオの設計から、最終的には市場シェアに至るまで、あらゆる面に影響を及ぼすという。「旧式のカメラは引き出しにしまわれてしまうかもしれない」。

 Youtube対応でビデオカメラやデジカメの需要引き起こしが予想されるというものです。

 この2つの記事を読んで思うことは、「情報共有」「コミュニケーション」という2つの言葉。Skype は電話という既存のものの代替でしかなく、1対1のコミュニケーションを図るもの。一方 YouTube は動画というmediaを使って不特定多数の人と情報や感情を共有するものです。大きく言えば不特定多数とのコミュニケーションをつくり出すソフトなわけです。

 代替品と創造品、これが Skype と YouTube の大きな違いなんじゃないかと、この2つの記事を読んで感じた次第です。

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2007年10月16日 23:27に投稿されたエントリーのページです。

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