9月から不況の嵐がそこいら中に吹いているようで、大手企業の人事対策がマスコミを賑わせていますね。この日曜日に放送された「たかじんのそこまで言って委員会」も取り上げていましたし、「派遣切り」のニュースは毎日流れています。
ニュースを見聞きしていると、トヨタやソニーなどの大企業は本当に悪いように思えるのですが、派遣や期間工を受け入れている「派遣先」企業だけが悪いんでしょうか!?。痛いニュースにある『“派遣は、正社員と同じ食堂でメシ食うな!”という大企業も…派遣大手「路頭に迷う派遣社員救えず、つらい。切ない」』というエントリーを読んでみるとそう思えます。
まあ、派遣先企業の対応が一番問題有りとはおもいますけど、派遣元企業に全く責任がないとは思えない。派遣社員の給料が手取り十数万円というニュースを見たのですが、これって派遣元企業ってどのくらいもらっているんでしょう。私の知っているところでは確実に倍以上もらっているはずです。このマージンが多いのか少ないのかはわかりませんが、ここの中間搾取については誰も何も語らないんですね。
痛いニュースにある「西日本の大手家電メーカー」ってどこなんでしょう。本当に問題があるんだったら、実名を公表しても問題ないじゃないでしょうか!?。社員食堂を使っちゃいけないと言われたら、「なんで??」と思うでしょう。でも福利厚生費で社食へ補助を出していて、格安になっているとすれば、この大手家電メーカーの対応が一概に悪いとは言えなくなってしまいます。また、この問題は派遣元が派遣先と交渉すべき問題な訳です。それを一方的に派遣先を悪く言ってもねぇ。「契約を打ち切られるのを恐れ」って契約書を交わす時点でそういうことに気が付かないということは、派遣元としてはちょっとおかしくないですか?。
寮を追い出される人って期間工なんでしょうか。それだったらかわいそうでしょうけど、これが派遣社員だとすれば、派遣元企業の問題になりますよね。
マスコミは常にスケープゴートを探して、それを叩いていれば大衆受けすると思っているような気がします。また現象面の問題しか目を向けなくてそこにある本質的な問題を見いだすことを全くしていないようです。第三者なんですから、当事者の一方しか取り上げないというのはね。派遣先企業も危機管理というかマスコミ対策が非常に下手だから、嵐が過ぎ去ることしか考えていないような感じです。
そういう意味でニュースにコメンテーターなんてものは不要なもの。事実のみを報道し、補足説明が必要なものはきちんと解説する。それだけで良いはずなんです。ニュースステーションからでしょうか!?、キャスターが自分の意見を言い始めたのは。これで思いっきり偏向報道になってしまったような気がします。
日本の企業はかつて「雇用の弾力性」が非常に高かったから、終身雇用制を維持することができました。でも今はどんどん低くなってきていますから、余裕がない。でも終身雇用制って昭和40年代の高度成長期から始まったはずです。昭和30年代にはそんなものはなかったと聞いています。歴史的に見るならばほんの一瞬だけなんですよ。そういう意味では終身雇用制って幻想でしかないんです。あるいはそういう制度は時代の流れに押しつぶされてしまったんじゃないかと。
それを働く側というか、親の世代が幻想である終身雇用制にしがみついているんじゃないかと。だから雇用の流動性が高くならない。いわゆる「いい会社」に入ること以外を受け入れられない。もっと中小企業に目を向けないと、それこそ働く場所はどんどんなくなってしまうことになってしまいます。
まあ、ぶつぶつ繰り言を書いてしまいましたが、全てにおいて「発想の転換」が必要な時代だと思います。企業も労働者も。政府や労働組合はもっとそういう考えを持たないと。ま、これについては、気が向いたらその続きを書こうかなと。
人気blogランキングへ