朝の番組で「とんでも経済学者」が終身雇用制に戻すべきだと言っていました。こういうウマシカな評論家がいると思うとなんか情けなくなってしまいます。
経済構造が変化していることを無視して昭和40年代に戻すことなんてできるわけがない。今の産業構造にあった形で雇用環境を改善しなくてはならないんです。じゃあ今の産業構造ってどうなっているんでしょう。従事者数でみればサービス経済化であり、第三次産業が半分以上を占めている状況です。でも基本的には輸出産業に依存しているわけで、トヨタが営業赤字を出しそうだということで大騒ぎになっている。こんな状況で終身雇用制なんてできるわけがない。
はっきり言って今の雇用不安に対する特効薬はないと思います。中長期的な対策しか取れない。確かにいま失業している人にとっては目の前の求職が大問題というのは判ります。なんでもいいから仕事がほしい。当然でしょう。で、麻生総理がハローワークで「なんでもいいじゃあ・・・」という発言には怒り心頭になるのもわかるんですけどね。
でもハローワークから来る人材って使えないと思っている経営者が多いのも事実。仕事内容よりも給与額を質問してくるのが大半と言っています。働く意欲をもっと前に出していれば、もっと就職しやすいのじゃないでしょうか。でも年齢という大きなハードルがあるのも確かです。意欲を前面に出そうとしても年齢で門前払いをくらうこともありますので。いろいろありますが、総じて言えることはやはり「意欲を前面に出す」ことが大切ということ。
中長期的な視点で考えると、産業構造を変えるような政策が必要です。基本的には新たな産業を創出することが必要ななんじゃないでしょうか。現在の企業はもう雇用の余裕がないわけですから、新たな企業に雇用を求めるしかない。既存の産業で新規開業することはかなり難しいから、新たな産業で新規開業をするしかない訳です。
個人的には、いろいろ反対意見もあるかと思いますが、やはり技術立国を継承する方向なんじゃないかと思っています。あとは既存のソフトを別の角度から収益性を出すとかなんですが。
難しい話になってしまいましたけど、馬鹿な評論家の意見をうのみにしないことが最初に必要だと言えるかも知れません。