昨年末、愛知県支部の支部長であり中京大学大学院教授の加藤先生が「松下幸之助に学ぶつきの原理」という本を出版されました。この本のなかで、昭和恐慌の時代に松下幸之助は一切従業員の首を切らなかったことが書いてあります。
そしてあるブログに出光佐三の本が紹介されており、その中で佐三は終戦直後の大変な時代にあって従業員の首切りをせず、また第1次オイルショックの影響さめやらぬ昭和51年には例年より多い新規採用を行ったとあります。
この両者の考えには共通点があります。それは「人は会社の財産」=人財ということです。だから借金を背負ってでも従業員を解雇することはしなかった。
翻って今の時代、大手企業、特に製造業の企業は派遣社員や期間工の契約を打ち切り、マスコミから非難を浴びています。このような状況を上に挙げた二人はどのように思っているんでしょうか。ソニーのように正社員のレイオフをしたなら、怒り心頭でしょう。多分期間工の人たちもそうなんじゃないでしょうか。でも派遣社員もそうなりますかねぇ。
基本的に派遣社員というのは派遣先である企業に雇用関係はありません。派遣社員は派遣元会社と雇用契約を結んでいます。人材派遣会社はその労働力を商品として派遣先企業に「販売」しているのです。書いてである派遣先企業が要らないと言えば、無理強いをすることはできません。そこいらのことをマスコミや野党第1党は判っているんでしょうか。
とは言え、今の状況をお二人に聞いてみたいものなんですが、さすがにお二人ともお亡くなりになっていますからねぇ。もっとこのお二人のことを勉強しないといけないですね。