中国のCM事情?
今日はちょっと気になっている中国事情についてです。
BS1で中国のコマーシャル事情のドキュメンタリーを放送していました。たまたまチャンネルを変えたらやっていて、ついつい最後まで見てしまいました。
中国の全国ネット放送局はCCTVの1局のみ。このコマーシャル枠は年に1回オークションで枠を競り落とす仕組みになっているんだそうです。取材対象の企業は半年のドラマのCMで13億円余り(8680万元)で競り落としました。
日本のCM価格がどのくらいなのか知らないのですが、枠の価格としては破格の金額だと思えてなりません。たしかに、13億人から1円ずつ払ってくれればそれだけでCM枠の価格になりますが、実際には13億人に買ってもらえるような商品はあり得ない。このCMは認知度向上のための宣伝広告費なわけです。
このオークション、全体で807億円強だそうで、なんかバブリーな感じがして仕方がない。
番組の中でCM戦略で大成功をした乳製品製造企業を紹介していました。そういう成功例を見れば「我が社も」と思うのは当然なんだろうと簡単に推測できます。でも失敗例もあるわけで、2年連続で最高金額でCM枠を競り落とした酒造企業は製品供給に追いつかず、水を混ぜたり他社の酒を自社のものとして流したりと不正を行うようになり、もはや倒産寸前だとのこと。
こういう話を聞くと、やはり販売戦略の理論武装ができていない企業がまだまだ多いんだろうなと思います。日本の場合、差別化・集中化や市場細分化などというキーワードでより効果的に商品を販売していくことを理解しています(?)。上海におけるサントリーの戦略を見てもわかると思います。
まあ、日本の場合は国土が狭く人口も中国の10分の1ですから戦術レベルでは全くと言っていいほど異なるでしょうが、戦略レベルではそれほど異なるとは思いません。今はまだまだ中国と差があるかと思います。でもいつか追いつき追い越されるような気もする今日このごろです。